2008年5月7日水曜日

「号泣する準備はできていた」

ジェーンオースティン「ノーザンガー寺院」を読んでいるはずですが、ちょっと寄り道をして、仕事の空き時間に日本語の短編集、江国香織さんの「号泣する準備はできていた」を読む。日本語の本に飢えて、ロンドンへ行った時に思わず買ってしまうのが(高いけど。400円の文庫本が£5=1000円以上!!!)、何故か江国香織さんの作品の事が多い。江国さんの作品は特別に大好き、と言うわけではないけれど、かるく読めるし、おおはずれっ!って事は無いので、まあ£5を無駄にする事はないかな~という思いからかもしれない。でも、この「号泣する準備はできていた」は、とても良かった。私には大当たりっ!で、ひととおり読み終えて、もう一度、気に入った短編から読み直しました。江国さんの大好きな友人は、「(江国さんの作品の)ほんわかしたところが好き」と言っていましたが、わたしは、むしろ、その「ほんわか具合」が少し苦手でした。でもこの作品は、江国さんのほんわかさを残しながらも、解説で光野桃さんが書いているように、「肉食」で、煮込まれた肉を手掴みで食べる、指の先までしっかりと舐める、口の周りがべたべたしても構わない、本当にそんな作品でした。どの短編も良いけれど、一番好きなのは「じゃこじゃこのビスケット」。わたしも出鱈目ばかり信じる17歳だったわ~。

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