2009年5月28日木曜日

Happy-Go-Lucky








映画館での公開時に観逃し(超超大作でない限り、公開期間が短いのです。だからいつも観逃している。)
予約して、ずーっと待っていたDVDがやっと手元に届いた。

「HAPPY-GO-LUCKY」は、英国では2007年公開、
日本では2008年の東京国際映画祭で上映されましたが、公開はされていないようです。残念!
 公開時の講評で、ある程度の内容、キャラクターは知っていたものの、
前半は、この映画の主人公ポピーに対し、「この女、大丈夫か???」
プラス「こんな人が身近にいたら、かなりむかつくかも」。
でも、話が進むにつれ、
いろいろ問題を抱えた自動車学校の教官同様、ポピーにすっかり惹かれてしまいました。
ポピーを取り巻く世界は、自由や良い友人だけではなく、
変な人や、いじめや自転車泥棒、
ポピーの置かれている状況 -30歳、シングル、男無し-を良く思わない人もいる。
一見、開き直りで明るく振舞っているようだけど、
実は、そのひとつひとつを真摯に受け止めて生きている。
自分の置かれている状況を幸せだと思える、言えるという事。
まあ、世の中、みんなポピーみたいだったら困ってもしまうとも思うけど。
楽しくて、後味の良い作品でした。

http://www.happygoluckythemovie.com/

2009年4月13日月曜日

卵と壁と、田中康夫と。

私は村上春樹さんの作品が好きである。会ったことも、直接話したこともないけれども、エッセイなどからうかがえる村上さんの人となりも、(コールドプレイを聴いてしまう事以外は)とても好きである。でも、世界には村上さんの作品を、村上さんをあまり良く言わない人もいるし、むしろ嫌悪を示す人もいる。それは、それで仕方のない事であると思う。わたしだって、ベストセラー作家と言われている人の作品を、何度読んでも、新作を試しに読んでみても、どーしても好きになれない事がしばしばある。世界は然ういうモノなんだと、思っている。
しかし。
You Tube で新党日本 田中康夫News を観て、ただただびっくりしてしまった。
田中康夫氏は、村上さんを、作品を、好きではなくて、評価もしていないのでしょう。それは、仕方がない、読み終えての感想は個々人違う。しかし、彼は、鼻の穴を膨らまして、村上さんが80年代後半に出した作品の批判をしまくり、最後は、「ノーベル賞を貰うためにはエルサレム賞を欲しかった。」と閉めている。「欲しかったのではと私は思う」と閉めるのならまだしも、「欲しかった」って???。その言い回しで、わたしはすっかり新党日本代表の田中康夫氏の人となりを疑ってしまった。イスラエル賞は作家に与えられる賞であって、田中氏が細かく批判した、80年代後半の「ノルウェイの森」に与えられたわけではない。そして、 「イスラエル賞受賞者がノーベル文学賞を取る確立が高い」と言われていても、それぞれ別の賞であり、選考者だって違うと思う。政治家として、村上さんがイスラエルへ行った事を批判するのならば、理解できる。でも、私には、田中氏が作家(の端くれ)として、村上さんに嫉妬しているようにしか映らない。村上さんのイスラエル賞のスピーチに対しても、田中氏は「卵の側に立つのはあたり前の事」だと。きっとあのスピーチの内容、映像は、日本の過熱な報道により、勝手に解釈されたものが報道され、一人歩きしてしまった部分もあったのではないかと、わたしは想像する。その勝手に解釈されたもの(You Tubeによる、日本の報道番組)を、そのまま私も受け止めたら、現在の第2次世界大戦で大敗したあとの日本で教育を受けている者の中では、「卵の側に立つこと」はあたり前に選択される事であるかもしれない、と私は思う。しかし、世界では壁の側に立つことがあたりまえの世界が有り得るのではないだろうか。田中さん、あなたはビッグブラザーが支配する世界で、「ビッグブラザーなんて、存在しない。」と、言う事ができますか? どれだけの人が、壁に立つことが正しい世界に足を踏み入れ、「私は卵の側に立つ」と言うことが出来ると思いますか?私は、イスラエルを旅してみたいけれど、今の状況では無理と、足を踏み入れる勇気もありません。

  「村上春樹はノーベル賞のためにイスラエルへ行ったのでした」と自信満々で言う、田中康夫氏。村上さんを好きか、嫌いか云々ではなく、こんなに、極論を平気で言える政治家なんて、私は支持することは、まず出来ない。

その後、あまりに自信満々の田中康夫氏の「なんとなく、クリスタル」を日本へ帰国したときに、図書館で借りて読んでみました。過去10年近くも貸し出し記録のない本。田中さん、他作家の現在も世界中で読まれている80年代後半の作品を批判する前に、(絶版にするとか)自分の作品をどうにかしたほうが良いのではないでしょうか?この作品を読んで、(田中氏のように、ひとつの作品で作者というものを断定してしまうのならば)私は田中康夫という人は、名誉とか賞とか、喉から手が出るほど、欲しい人ではないかと感じました。

2009年4月11日土曜日

久しぶりに日本

英国の新聞、ニュースで日本のお粗末な政治事情を知っていたけれども、2年ぶりに日本へ帰国し、初めてテレビで麻生太郎総理大臣を見た。ウィキペディアの笑顔の写真からかけ離れた、むすっとした表情に、ものすごく言葉遣いが悪い。あんなに恵まれた環境で育って、あの話し方、言葉遣いは、なんだかすごいなあと、感心してしまった。そして、どの政治家も、下を向いたり、自信無げにぼそぼそ話す。多分、強弱アクセントの少ない日本語のせいもあるのかもしれないけれど、あんなに自信無げな政治家に、期待を持つことは難しいなあと感じてしまった。日本は、今でも世界で、第2位の経済大国である。あのような政治家が担う日本が、世界2位の経済大国、、、何故だ??と思わずにいられなかった。