クリスマスと正月もまたいで、
昨日、
やっと村上春樹さんの1Q84を読み終える。
春樹さんの作品でも、
できるだけ本は(って本以外でもモノは増やしたくないけど。)買いたくないので、
過去2年日本へ帰国したときに、図書館で予約するものの、
私の順番が来るのは、いつも英国へ帰ってから。
英語版が出版され、英国の図書館で借りられるのが早いか。
日本の図書館で借りられるのが早いか。
結局、
英語版が軍配(?)をあげる。
で、昨日読み終える。
2ヶ月ちょっとの、長い旅。
返却日前に読み終わり、一安心。
春樹さんの最近の長編作品は、
カフカくんにしても、この作品にしても、
春樹さんの表現を使えば、
「井戸」へ降りていっても、
自分の意思と力で戻ってこられるようになったのですね。
物語の中には、
もちろん井戸の中で、消えてしまう人、
そこに居座る人も、でてきますが。
10代半ばの井戸の底で、
ノルウェイの森を初めて読んで、
井戸の存在なんて、ときどき忘れてしまうぐらい
元気に生きている今の私だけれども、
そうそう、
井戸から這い上がっても、
世の中、正しくない事、嘘や虚栄や矛盾で溢れていて、
でも、
その中を、自分で折り合いをつけながら生きていかなくては
ならないのよね、と。
そして、春樹さんの作品を読んでいるときに、
ときどき、おもしろい偶然に遭遇する。
ねじまき鳥クロニクルは、
ちょうど中国を旅行中に読んでいて、
帰国後に行った成田山でノモンハンの写真展が開催されていたり、
とか、
世界の終わりとハードボイルドワンダーランドは、
何度読みかけても、先に進めなくて、
真冬の雪の中のノルウェイ スウェーデンと北イングランド、スコットランドを
旅行中に、やっと、読み進むことができて、
電車から見る景色が、あんまりにも物語の世界だったり、
とか。
そして、1Q84でも、
ちょっとした個人的な出来事が重なる。
そういった意味で、
いつか将来、もう一度この本を手に取るとき、
この3ヶ月間で経験したこと、感じた事や景色を
今よりももっと冷静に、距離を置いて、
あるいは、愛おしい思いで、
振り返る事ができるのかもしれない。
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