2012年1月3日火曜日

1Q84を読み終える。

クリスマスと正月もまたいで、
昨日、
やっと村上春樹さんの1Q84を読み終える。


春樹さんの作品でも、
できるだけ本は(って本以外でもモノは増やしたくないけど。)買いたくないので、
過去2年日本へ帰国したときに、図書館で予約するものの、
私の順番が来るのは、いつも英国へ帰ってから。

英語版が出版され、英国の図書館で借りられるのが早いか。
日本の図書館で借りられるのが早いか。

結局、
英語版が軍配(?)をあげる。

で、昨日読み終える。
2ヶ月ちょっとの、長い旅。
返却日前に読み終わり、一安心。

春樹さんの最近の長編作品は、
カフカくんにしても、この作品にしても、
春樹さんの表現を使えば、
「井戸」へ降りていっても、
自分の意思と力で戻ってこられるようになったのですね。
物語の中には、
もちろん井戸の中で、消えてしまう人、
そこに居座る人も、でてきますが。

10代半ばの井戸の底で、
ノルウェイの森を初めて読んで、
井戸の存在なんて、ときどき忘れてしまうぐらい
元気に生きている今の私だけれども、
そうそう、
井戸から這い上がっても、
世の中、正しくない事、嘘や虚栄や矛盾で溢れていて、
でも、
その中を、自分で折り合いをつけながら生きていかなくては
ならないのよね、と。



そして、春樹さんの作品を読んでいるときに、
ときどき、おもしろい偶然に遭遇する。

ねじまき鳥クロニクルは、
ちょうど中国を旅行中に読んでいて、
帰国後に行った成田山でノモンハンの写真展が開催されていたり、
とか、
世界の終わりとハードボイルドワンダーランドは、
何度読みかけても、先に進めなくて、
真冬の雪の中のノルウェイ スウェーデンと北イングランド、スコットランドを
旅行中に、やっと、読み進むことができて、
電車から見る景色が、あんまりにも物語の世界だったり、
とか。

そして、1Q84でも、
ちょっとした個人的な出来事が重なる。
そういった意味で、
いつか将来、もう一度この本を手に取るとき、
この3ヶ月間で経験したこと、感じた事や景色を
今よりももっと冷静に、距離を置いて、
あるいは、愛おしい思いで、
振り返る事ができるのかもしれない。

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